遊戯王歴史探究 歴代の最強デッキを考える

遊戯王OCGの歴代の環境を実際にプレイし、その時点での最強デッキを考えていきます

1999年制限改訂と、当ブログの方針

前書き

 遊戯王には環境のバランスを取るために、制限改訂(リミットレギュレーション)の制度が存在します。そして、Booster 3発売後くらいに最初の制限改訂が行われたようなのですが、補足が必要なため初めに説明いたします。

 行われたようだ、と書いた通り、調べてみてもこの制限改訂が実際にどういったものだったか確信できる情報が見つけられませんでした。

 当ブログでは、調べた中で最も信憑性の高い情報を元に進めていきたいと思います。それは、1999年7月21日発売のVジャンプに制限改訂のリストが載っていた、という事実です。これが初出なのかは不明ですが、そうだったものとして、このタイミングで制限改訂を適用します。

 また、この改訂は同年8月に行われた全国大会限定のものらしい、ということもまた事実のようです。全国大会の予選や、それ以降の公認大会ではどうだったかまではわかりません。

 当ブログでは、最強デッキを突き詰める=大会での勝利を目指す所謂ガチ勢を想定していること、それならば、全国大会に向けてこのリストを適用した調整を行なったであろうこと、制限改訂の内容が妥当なこと、等を考慮し、これ以降次の制限改訂まではこのリストを適用いたします。

 

制限改訂 1999年 改訂内容

制限カード

サンダー・ボルト

ブラック・ホール

落とし穴

 

 最初の制限改訂では、優秀な除去カード3種が制限カードに指定されました。

 個人的な感想としては、サンダー・ボルト、ブラック・ホールの規制には納得できる一方、落とし穴は規制の必要がなかったように思います。

 勿論、この時点ではまともな除去罠がこれしかなかったため、強力なカードであったのは間違いありません。しかし、ゲームのバランスを壊すほどのカードではなく、むしろこれ以外にまともな罠がなさすぎて、攻防のバランスが崩れるようにも思えました。

 また、この時点では禁止や準制限カードという発想がなかったのかもしれませんが、単純に考えてサンダー・ボルトとブラック・ホールが同等の規制というのは理解しかねます。この時代ではブラック・ホールに敢えて巻き込むことで強いモンスター等も存在しないため、明らかにサンダー・ボルトの方が上位互換と認められるからです。そのため、サンダー・ボルトを禁止にし、ブラック・ホールは準制限でよかったと思います。

 また、発売から日が浅いとはいえ、強欲な壺に手がつけられなかったのは非常に残念です。

 

改訂適用後の最強デッキ

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 今回規制されたカードはいずれも実戦級のカードだったため、デッキ構築に6枠という少なくない影響を与えました。しかし、この時代には他にまともな除去カードが存在しないため、代わりとなるようなカードを入れることができません。

 そのため、消去法的に、最もまともな壁モンスターを戻して対応しています。勿論あまり強くはないのですが、他のカードよりは役に立ちます。

 

環境の解説

全体除去減少の好影響

 全体除去の枚数が6枚から2枚と大幅に減り、ゲームにも大きな変化が現れています。

 これまでは全体除去は引かれていて当然だったため、モンスターを2体以上並べるのは、ライフを削りきる算段がついた場合くらいでした。

 これからは、全体除去のリスクは依然あるものの、引かれていない可能性に賭けて横に並べることも、プレイの選択肢として有効になります。即ち、リスクとリターンを天秤にかけてプレイを選択できる、プレイングの反映される環境になったということです。

鎖付きブーメランの評価UP

 これまでも強かった鎖付きブーメランですが、除去カードが減ったことで更に評価が上がっています。

 これまでは1600+ブーメランの2100打点でモンスターを戦闘破壊されても、返しで除去すれば2:2交換に持ちこめました。しかし、これからはそれが難しくなるため、2100打点が残り続けてしまう可能性が高まったのです。

 

環境の感想

 上述したように、全体除去の削減により、ゲームの勝敗にプレイが介入する幅が広がりました。これはゲーム体験としてとてもいいことだと感じており、かなり良い制限改訂だったのではないかと思います。