遊戯王歴史探究 歴代の最強デッキを考える

遊戯王OCGの歴代の環境を実際にプレイし、その時点での最強デッキを考えていきます

Vol.4環境 強欲な壺再利用の地獄

Vol.4発売 聖なる魔術師の登場

 1999年7月22日、Vol.4が発売されました。カードリストはこちら

ゲームの破壊者 聖なる魔術師

 このパックの目玉はなんといっても聖なる魔術師であり、このカードのためのパックであるといっても間違いではありません。

 効果はリバース時に墓地の魔法を回収と、一見スケルエンジェルと同程度の効果に見えます。しかし、ここまで読まれている方はご存知の通り、この時代は強欲な壺が3積みされています。ゲーム中に聖なる魔術師で強欲な壺を回収する動きは頻繁に発生し、しかもゲームを決めかねない強力なコンボです。

 そのため、聖なる魔術師も文句なしの3積み確定カードとなっています。

 

Vol.4環境 最強デッキ解説

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聖なる魔術師

 変更点は聖なる魔術師のみとなっています。

 聖なる魔術師の強みですが、やはりその真骨頂は強欲な壺の回収にあります。

 強欲な壺を普通に発動して1アド、聖なる魔術師から回収すればもう1アド、この動きのなかでカードを4枚も引いているため、追加の壺や魔術師を引ける可能性もあるという、アドがアドを呼ぶ壊れムーブとなっています。

 召喚権を1回犠牲にする必要はあるのですが、環境がそこまで速くないため、大したコストにはなりません。

 

 変更点が少ないため、今回は逆に採用に至らなかったカードについても触れておきます。

デーモンの召喚不採用

 デーモンの召喚は生け贄1体で攻撃力2500と、破格のステータスを誇ります。また、上記リストを見るとわかる通り、生け贄に最適なリバースモンスターも多く採用されています(反転召喚で効果使用後、生け贄にする)。

 こうした土台が整っているため、当初私たちもデーモンの召喚は流石に採用するだろうと考えていました。しかし、プレイを重ねる内に、実は壁モンスターの方が有用であるとの結論に達したのです。

 その理由は、デーモンの召喚自体が弱いというよりも、デーモンの召喚を強く使える場面が少ないことです。

 デーモンの召喚が単体で見れば優秀なのは間違いありません。では、デーモンの召喚を生け贄召喚したとして、強く使える場面とはどういったものでしょうか。それは、デーモンの召喚で相手のアタッカー、もしくはディフェンダーを戦闘破壊することです。逆にいえば、リバースモンスターの処理や、ダイレクトアタックに使うのはそこまで強くないということになります。

 リバースモンスターの処理に関しては言わずもがな、レベル4のアタッカーで事足ります。ダイレクトアタックに関しても、リバースモンスター+1600打点の場合と数値があまり変わりません。このことから、純粋なアタッカーとしては特別に強いわけではないことがわかります。

 残された唯一にして最大の強みが、戦闘破壊によるアドバンテージ獲得を狙えることです。しかし、プレイすると気づくのですが、実際にその機会が訪れることはあまりないのです。

 というのも、生け贄用のリバースモンスターが自分の場に、倒すためのモンスターが相手の場に存在していることが、戦闘アド獲得の前提条件となります。

 しかし、場が空の状態から、自分がリバースモンスターをセットしてターンエンド→相手がアタッカーを召喚してターンエンド、とはならないのです。必ず自分のリバースモンスターに攻撃をしかけてきます。そうなれば生け贄にするはずだったリバースモンスターは場に残らないため、前提が崩れます。

 また、自分がモンスターをセット→相手もモンスターセットエンドの場合、相手のモンスターもリバースモンスターの可能性が高いです。この場合も、デーモンの召喚を出してもリバースモンスターの処理に使ってしまうことになり、こちらも前提が崩れます。

 このように、デーモンの召喚でいい感じに戦闘破壊をする、という状況があまり発生しないことから、徐々に採用枚数が減っていき、最終的には不採用となりました。手札で腐る可能性のあるカードよりも、単体で最低限の仕事をする岩石の巨兵を優先した格好です。

闇の仮面不採用

 聖なる魔術師の対となるカードとして、闇の仮面も収録されています。魔術師が入るのならこちらも入るのでは、少なくとも岩石の巨兵よりは強いのではないか?と思う方もいると思います。

 闇の仮面が不採用の理由は、罠カードを回収することがあまり強くないから、という単純なものです。

 援軍、鎖付きブーメラン、落とし穴、どれも弱くはないのですが、わざわざ回収して使い回したいほどではありませんし、何を回収したか相手にバレてしまうというのも罠カードとしての強みを失います。

 このような理由から、闇の仮面は不採用としています。

 

環境の感想

 以前から存在した、強欲な壺によるゲーム支配がより進んでしまい、ゲームの面白みはかなり低下しました。

 強欲な壺が純粋なドロー効果であるため、1枚目の強欲な壺を引いたプレイヤーの方が続く壺、魔術師に辿り着きやすく、その差はどんどん広がってしまいます。

 早く強欲な壺を規制してほしいと強く感じた環境でした。