遊戯王歴史探究 歴代の最強デッキを考える

遊戯王OCGの歴代の環境を実際にプレイし、その時点での最強デッキを考えていきます

Vol.7環境 遺言状エクゾ最終形態 食らいつくグッドスタッフ

Vol.7 なかなかの豊作パック

 2000年1月27日、Vol.○シリーズの最終弾であるVol.7が発売されました。即戦力となるカードが多数収録されており、環境終盤としてはなかなかの豊作具合です。カードリストはこちら

異次元の戦士

 OCG初の、除外による盤面除去が可能なカードが登場しました。大型モンスターを道連れにすることもできますが、この環境では専らクリッター、ウィッチの処理を担います。クリッター、ウィッチ双方のサーチに対応している点が優秀です。

 エクゾディアは白い泥棒のダイレクトアタックを防ぐためにウィッチをセットすることがままあります。ウィッチを破壊した場合、同名をサーチされてハンデスに外れが生じたり、死者蘇生からのキルや、最悪の場合直接エクゾディアをサーチされて負けてしまうこともあります。異次元の戦士はこれらのリスクを無視できるうえ、クリッター、ウィッチのサイクルを完全に断つことができるため、相手が後から引いた施しやジャマー等を弱体化させることもできます。

 グッドスタッフのミラーでも、白い泥棒を戦闘破壊するためにウィッチが召喚されることはよくあるので、デッキに入れておくと役に立ちます。ただし、除外は強制効果なので、闇雲にセットモンスターに突っ込ませるのは危険です。

ダーク・エルフ

 攻撃に1000ライフを必要としますが、ヂェミナイ・エルフを上回る2000打点を持った下級モンスターです。一見強そうですが、そもそもヂェミナイ・エルフがピン刺しされる環境のため、その打点を活かせる場面は多くありません。とはいえ、わざわざヂェミナイ・エルフを採用するくらいならこちらを優先した方がいいです。また、この環境では基本的に白い泥棒と神の宣告によって1000刻みでライフが動くため、1900と2000の100の差は見た目以上に大きいです。

聖なるバリア-ミラーフォース-

 長期的な視点で見れば、このパック1番の強カードです。ただし、この環境ではそこまで強力ではありません。理由は2つあります。

 1つ目は、このカードがエクゾディアに全く使えない点です。この環境は半分以上のプレイヤーがエクゾディアを使用することが考えられるため、2回に1回完全に腐るカードをメインに入れるのはリスキーです。

 そのため、採用するならサイドデッキとなりますが、グッドスタッフのミラーでもそれほど強いわけではありません。グッドスタッフは白い泥棒がメインアタッカーを務めるため、直接攻撃は1度たりとも通すわけにはいきません。ミラーフォースも1体の白い泥棒に撃たざるをえず、強みである複数体の除去は叶いません。これが2つ目の理由です。

追い剥ぎゴブリン

 対エクゾディア最終兵器です。ミラーでも弱くはありませんが、対エクゾディアと異なりガバ伏せ+ハンドはクリッター、ウィッチのみの状態を作ることでハンデスをケアされるため、過剰にハンデスに寄せることにはリスクが伴います。

サンダー・ドラゴン

 ここまではグッドスタッフの強化でしたが、エクゾディアにも優秀な新規が配られました。このカードの役割は2つあり、どちらも遺言状エクゾにもってこいな内容です。

 1つ目は、純粋なデッキ圧縮です。遺言状によって先攻エクゾディア完成が十分見込めるようになっているため、2枚であってもデッキを圧縮できるのは強力です。

 2つ目は、生贄召喚をすることです。死者蘇生、遺言状と組み合わせることで、サンダー・ドラゴンを召喚した際にモンスターが墓地へ送られたことがトリガーとなり、場にキャノン・ソルジャー+サンダー・ドラゴンが揃います。後は無限射出でエクゾディアを揃えれば勝ちです。同じことをモンスター2体で行う場合、別途モンスターを墓地へ送る手段が必要ですが、こちらではそれが不要です。

 さらに、このカードは黒き森のウィッチからサーチすることも可能です。先攻ワンキルがかなりしやすくなったほか、ワンキルできなくとも、2枚の外れを抱えることで、ハンデスに若干の耐性もつきました。

 

環境解説

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 エクゾディアはデッキのスピードが上昇し、グッドスタッフは相手のリソースを削る手段が増えました。結果として、バランスは以前とあまり変わっていません。

 やはり先攻を取れるかどうか、壺、施し+クリッター、ウィッチを引けるかどうかが勝敗に大きく影響する環境となっています。