遊戯王歴史探究 歴代の最強デッキを考える

遊戯王OCGの歴代の環境を実際にプレイし、その時点での最強デッキを考えていきます

Vol.5環境 グッドスタッフの反撃

Vol.5登場

 1999年9月23日、Vol.5が発売されました。コントロール奪取の原点にして頂点ともいえる心変わりや、第1期としてはなかなかに優秀な除去である死者への手向けが収録されています。カードリストはこちら

心変わり

 このパックの目玉はなんといっても心変わりでしょう。1ターン限定とはいえ、一切の縛りなく相手モンスターのコントロールを奪うというのは驚愕の性能です。

 用途は多岐に渡り、単純に相手場を空けて直接攻撃を通す、奪ったモンスターのリバース効果を利用してしまう、奪ったモンスターを上級モンスターの生け贄にしてしまう...と、多様な召喚方法のある現代でなくとも、やられたら相当にきついことのオンパレードです。

 特に裏側守備表示のモンスターも対象にできる点が重要で、環境に大きな変化を及ぼしています。

死者への手向け

 同じく裏側守備表示対策が可能なカードとして、死者への手向けというカードも登場しています。こちらは除去のため、相手のモンスターを上手く利用するといったことはできませんが、確実な破壊が約束されているのが強みです。

 ただし、強欲な壺が3枚詰めるとはいえ手札1枚というコストは高く、この時点では採用が難しい印象を受けました。

白い泥棒・仮面魔道士

 ダメージを与えることによって誘発する効果を持ったモンスター達です。これまでにない効果をしており、戦闘ダメージにライフを削る以外の意味が生まれた瞬間でもあります。

 心変わり等優秀な除去の増加もあって効果が使える機会は十分あり、特に白い泥棒は強力です。

 

環境解説

 前環境は突如エクゾディアに支配される格好となりましたが、今回の追加でグッドスタッフが反撃することになりました。というのも、追加カードがグッドスタッフ側に偏っていたからです。

 白い泥棒の効果を使われた場合、グッドスタッフでは手札を1枚削られただけといえますが、エクゾディアの場合手札がそのまま勝敗に直結するため、パーツは勿論、何を抜かれても致命傷になり得ます。

 心変わりはエクゾディア側も使用することができますが、グッドスタッフから奪って強いのは聖なる魔術師くらいで、裏側守備表示が確実に聖なる魔術師かわからないため、あまり強く使うことができません。それに対して、グッドスタッフは、エクゾディア側がセットするリバースモンスター(聖なる魔術師、スケルエンジェル、人喰い虫)のどれを奪っても申し分ありません。

 結果として、白い泥棒をケアするために光の護封剣を温存することが難しくなっている点もあり、エクゾディアは最強の座を明け渡すことになりました。

 

Vol.5環境 最強デッキ解説

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 エクゾディアの失脚を考慮して、ミラーに寄せています。ただ、この構築でもエクゾディアには有利です。

白い泥棒

 ミラーマッチでも強いです。墓地のこのカードに死者蘇生を使うことが多くなったため、これまでグッドスタッフのミラーでありがちだった、死者蘇生溜め込みによるバーストダメージによる勝利は減っています。代わりに、アドバンテージの差による勝利が増えた格好です。

仮面魔道士

 スケルエンジェルと交代で採用しています。スケルエンジェルよりも優れている点として、2枚目以降のドローを狙えること、スケルエンジェルと違い使い切りでないので、心変わりに耐性があること、白い泥棒によるリバースモンスターへの攻撃を躊躇させられること、等があります。

 

プレイング解説

 心変わりによって、プレイングも大きく影響を受けています。

 具体的にはモンスターのセットに関することで、できれば聖なる魔術師を心変わりで奪われることは避けたいです。そのため、本来の優先順位としては聖なる魔術師をセットするところを敢えて人喰い虫からセットしたり、場合によってはヂェミナイ・エルフをセットすることもあり得ます。反対に、心変わりを打つ側もその裏側守備表示のモンスターが何なのかをよく考えてから使う必要があります。

 自分が相手よりも優勢な状況では、手札に聖なる魔術師しかモンスターがいなくても、セットせずにターンを返すこともあります。このように、心変わりは理不尽な性能ながらも戦術性の高いカードであるため、環境自体はなかなかに面白いものとなっています。