遊戯王歴史探究 歴代の最強デッキを考える

遊戯王OCGの歴代の環境を実際にプレイし、その時点での最強デッキを考えていきます

Vol.2環境 加速する運ゲー

Vol.2発売

 1999年3月27日、ブースターパックの続編として、Vol.2が発売されました。大型で殴り合う環境が続きますが、このパックが環境に与えた影響は大きいです。カードリストはこちら

 重要な新カードは全てデッキに採用されるため、このままデッキ解説に移ります。

 

Vol.2環境 最強デッキ解説

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ホーリー・エルフ/ハープの精

 アクア・マドールに続き、守備力2000のモンスターが2種類登場しました。

 これにより、これまで攻撃の一端を担っていた下級モンスター達は、完全に居場所を失うことになりました。

カース・オブ・ドラゴン

 暗黒騎士ガイアに続くアタッカーです。

 しかし、守備力2000のモンスターが9枚採用されている環境のため、そこまで強くありません。

死者蘇生

 わかりやすく強力なカードです。

 蘇生対象は自由に選べるため、実質デッキに青眼やブラック・マジシャンを積み増ししていることになり、ゲームスピードは高速化しました。

 このカードの特に強力な点は、召喚権を使わずにモンスターを展開できることです。この特性により、これまではできなかった、盤面が空の状況から1ターンで多量のダメージを与える戦略をとることができるようになりました。

 また、相手の墓地も利用できるため、安易に大型モンスターを繰り出すことにはリスクが伴うようになりました。

光の護封剣

 死者蘇生と同等か、それ以上に環境に影響を与えたカードです。

 そもそも、このカードが何故採用されているかから説明します。というのも、護封剣は普通に使っただけでは3ターンを耐えられるとはいえ、アドバンテージの面ではカードを1枚失うだけだからです。

 護封剣が採用されている理由には消極的理由と積極的理由の2つがあります。

 消極的な理由とは、単純に護封剣よりも優先したいカードが存在しないということです。代わりを入れる場合、守備力2000に勝ち目のない、つまり一方的に倒されるだけのモンスターか、腐る可能性の高い装備魔法が候補となります。これらはどちらも結局アドバンテージを失うだけになる可能性が高いので、それなら護封剣を使おうという結論に至ります。

 積極的な理由は、この環境では護封剣の3ターン耐える効果がそれなりに有効だということです。罠が落とし穴3枚しか存在しないため、防御が不十分なだけではなく、死者蘇生にいたっては止めることができません。その点、護封剣は確実に3ターンを得ることができます。そして、この環境には全体除去が6枚存在するため、耐えている間、相手がどんどんモンスターを並べてきたとしても、返すことが可能なのです。

 

環境解説

 モンスターの基本ラインが守備力によって構成されたことで、ゲーム性は大きく変わりました。

 仮に2000ラインが攻撃力によって成された場合、ゲームは攻撃力2000のモンスター同士の相打ちが頻発することになります。この場合、フィールドは空き続けるので、後続の攻撃力2000のモンスターに役割が無くなることはありません。

 一方、これが守備力2000のモンスターの場合、お互いに守備表示のまま睨み合うことになります。フィールドにはモンスターが残り続けるため、後続の守備力2000のモンスターはセットするだけ特に意味がなく、むしろ全体除去に巻き込まれるリスクがあるため手札に抱えていた方が安全です。

 つまり、複数枚壁モンスターを引いてしまった場合、2枚目以降はあまり価値の無いカード、ということになります。

 これが何を意味するかというと、これまで以上に有効牌を引けるかどうかが重要なゲーム、つまり運ゲー環境になってしまったということです。 特に光の護封剣とサンダー・ボルトは引けているかどうかが大きく勝敗に影響し、揃って持てた場合はかなりの確率で勝てます。

 また、死者蘇生によるワンショットキルの存在も運ゲーに拍車をかけています。

 

プレイング解説

光の護封剣後打ち

 この環境では護封剣を発動されると、攻撃もできず、全体除去の存在から安易にモンスターを並べることもできないため、ほぼ完全に身動きを封じられます。また、発動した側はその間全体除去を温存することが可能です。

 そのため、護封剣をいつ発動するかは非常に重要なポイントとなります。基本的には、できる限り相手の護封剣よりも後に発動した方が有利です。2枚目3枚目を引けていれば、さらにお返しで発動でき、非常に強力です。

死者蘇生貯め込み

 除去と護封剣により、大型モンスターが2ターン連続で攻撃できることは減りました。そのため、相手のモンスターを倒すために死者蘇生を使うのは、勿体ないということになります。

 そうではなく、全体除去を使うなどして、ダイレクトアタッカーが可能な状況まで温存しておき、確実に大ダメージを与えるために使うのが有効です。公式ルールでは1ターンに1枚しか魔法・罠を場に出せないため、正確には死者蘇生をあらかじめセットしておき、後でまとめて発動するという流れになります。

 

環境の感想

 前述した通り、引けるかどうかの運要素が重要な環境のため、あまり面白くありませんでした。

 特に護封剣返しに対する2枚目の護封剣発動や、護封剣→サンダー・ボルトの流れはくだらないといっても過言ではありませんでした。